ひろしま災害後のこころの支援勉強会は、平成30年度の西日本豪雨災害において被災された方々へのこころの支援のため、医療・福祉・教育などの多領域間で協力、連携し、支援者が災害後の心理的支援やその対応の理解を深め、継続的に適切な支援を行えるよう、学びの場を提供しようと発足した会です。
2023年5月には新型コロナウイルスは第5類となり、様々なイベントや行事がコロナ禍前に戻りました。日常が戻ってきたかのようですが、「何かドッと疲れる」「余裕がなく目の前のことでバタバタしている」「子どもたちが幼い…」などの声を聞くようになりました。
コロナ禍から現在に何が起こっていて、子どもたちはどう体験しているのか、”今”支援者の皆さまと共有することが大切と考え、ひとつの仮説として・指標として・考えとして、資料にまとめました。
新型コロナウイルス感染拡大の防止対策により、日常生活は大きく変化しています。事態は長期化が予測され、連日の危機的な報道等にも煽られ、私たち支援者も「これからどうなるのか」「いつまで続くのか」といった見通しが持てず、大きな不安を抱えながら過ごしています。
このような事態は一種の災害ととらえられます。自然災害の時以上に「私たち支援者も当事者(被災者)である」という自覚、だから支援者自身が自分の体験・感覚で動いてしまうという認識が必要と考えます。また、正しい知識を持ち、支援者のつながりを保ち続けることも大切です。
そこで、「いま」を理解しながら支援する対象と関わるために、大切な視点を以下の資料にまとめました。
資料:新型コロナ こころの支援
現在、世の中では不安を煽るような報道や不確かな情報が多く流れ、私たちの未知のウイルスに対する不安は日々大きくなっています。学校の休校、イベントの中止等もあり、大人も子どもも日常生活に大きな影響が出ています。
今回のウイルスの流行は一種の災害と捉えられます。災害時に支援者は、まず支援する対象に、いかに「安全・安心感」を保たせるかが大切になります。
私たちひろしま災害後のこころの支援勉強会は、
◎多領域間で協力・連携すること、
◎支援者が災害後の心理的支援やその対応の理解を深めること、
◎継続的に適切な支援を行えるよう、学びの場を提供すること
を目的としています。
現在の国内の状況を鑑み、当会として何かお役に立てることはないかと実行委員で考えました。そして、当会に参加していただいた方には、子どもを対象としている方が多くいらっしゃることから、子ども達をサポートするために、特に学校再開に向けてどのようなことが大切かということについて話し合い、資料にまとめました。支援にあたっては、支援者が正しい知識を持ち、こころを整え支援していくこと、またひとりで抱えないことが重要です。この不安に飲み込まれないため、今一度立ち止まり「今、何をすることが大切か」考える一助になればと思います。
資料:学校再開にむけて
この度の7月西日本豪雨災害では広範囲に及ぶ被害がありました。
土砂の被害を受けられた方々はもちろんの事、土砂災害を免れた方においても、ライフラインの寸断などで受けた心身のストレスは大きなものでした。
しかし私たちは、当たり前に送っていた安心・安全な生活が揺らぐ中、日常の生活(仕事や自分の役割)に戻っていかなければなりません。
昭和62年より現在まで、杉原心理教育研究所を中心として、心理臨床の考えを広く用い、色々な援助活動をする方への援助を目的に、医療、福祉、教育、産業の領域で対人援助をしているものが集まり、自己研鑽の勉強会、セミナーやシンポジウムを行ってまいりました。
この7月の豪雨災害を経験し、自分達の勉強会、ネットワークで何かお役に立つことはないかという思いで、「今何が必要で、我々はこの状況で何を提供できるか」を話し合いました。
同時に各方面からも「学校現場で子どもや親に対して、勤務先の被災した同僚に対してどう接したらよいのか」との声が上がってきはじめました。
そこで、心理臨床の勉強会にて、現場の先生方と協力して、学校現場で活用できる資料を作成しました。そしてこの作成した資料や考え方を多くの方々にお伝えできたら、また、一緒に考える場があったらという思いで、立ち上げたのが「ひろしま災害後のこころの支援勉強会」です。
今後は中長期的な支援が必要となってきます。
その中で支援者側に求められるニーズにも変化があります。支援を行うにあたっては、支援者が知識を持ち、こころを整え、支援していくこと、またひとりでかかえないことが重要です。
ひろしま災害後のこころの支援勉強会では、多領域の支援者と連携しながら、今後も皆様と“今、必要な知識や考え方”を共有していく機会を作ってまいります。