
このシンポジウムは、私たちの日常の心理臨床活動を検討し討論を深めていくことで、相互に交流しながら、思春期の心理臨床にとって大切な視点を共有していきたいというものである。
子どもの成長には、家庭での生活(衣食住など)や学校での学習や同年代との関係を積み重ねていく「日常」と、放課後や休日などの友達との交遊の時間・空間、家庭の行事や地域のお祭りなどの「非日常」の体験が必要であると考える。
現代の子ども達に目を向けると、ヴァーチャルな世界の中で万能的になる、失敗することを恐れすぎて動けなくなるなど、コミュニケーションが未熟で幼い姿が気にかかる。また、行事の中止を淡々と受け入れ、思春期的な反抗を表に出さない姿もみられる。
「日常」も「非日常」もしっかりと体験しにくい環境の中、子どもたちは「今」をどのように体験しているだろうか。また、このような環境の中で、私たちが彼らに提供できる「日常」「非日常」の体験とは、どういったものだろうか。そこで今回は、「思春期の今を考える~日常と非日常の視点から~」というテーマで子どもたちに役立つ支援とは何かを検討したい。
進め方としては、シンポジストの方々に、それぞれが日常臨床の中から、今回のテーマについて、事例を素材にしながら話題提供をして頂いて、議論していく。指定討論者には引き続き、乾 吉佑氏にお願いする。思春期心理臨床にとって大切なことがワクワクとしかも実感を持って感じられるシンポジウムにしていきたいと思う。思春期の子どもとかかわる心理臨床家のみならず、教育、医療、福祉など幅広い領域の方々のご参加を呼びかけたい。