
このシンポジウムは、私たちの日常の心理臨床活動を検討し討論を深めていくことで、相互に交流しながら、思春期の心理臨床にとって大切な視点を共有していきたいというものである。
現代の子ども達を見ていると、大人に上手く頼ることなく、自分でやるしかないという子どもたち、思春期的に憧れたり背伸びしたりして徐々に大人の世界に触れるのではなく、一気に大人とつながり傷つく子どもたち、ゲームや動画に没頭し現実世界に目を背けているように見える子どもたちなどの姿が気にかかる。私たち支援者は、彼らとどうつながり、関係を育んでいけるだろうか。
自分の世界と外の世界が重なる領域として、内側(主観的な世界)と外側(現実の世界)のあいだ、「中間領域」(ウィニコット,D.W.)がある。ここでは、自分だけではなく他者と共有し、分かち合ったり、折り合ったりしながら豊かなものが創造され、ゆとりや不安を和らげるクッションにもなる。
しかし、間のない現代においては、子どもも関わる大人も、すぐに現実的に動いていくことを求められることが多くなっており、こころの中に「中間領域」を保つことが難しくなっているのではないだろうか。
そこで今回は「中間領域」の視点で、私たち支援者が、今の子どもたちをどのように理解して、支援していったらよいのかを考えていきたい。
進め方としては、シンポジストの方々に、それぞれが日常臨床の中から、今回のテーマについて話題提供をして頂いて、議論していく。指定討論者には引き続き、乾 吉佑氏にお願いする。思春期心理臨床にとって大切なことがワクワクとしかも実感を持って感じられるシンポジウムにしていきたいと思う。
思春期の子どもとかかわる心理臨床家のみならず、教育、医療、福祉など幅広い領域の方々のご参加を呼びかけたい。
※ 臨床心理士ポイント申請予定
「現代の『思春期と中間領域』について考える」 岡田 幸彦(トポスの森)