
このシンポジウムは、思春期の心理臨床について、われわれの日常の心理臨床活動を検討し討論を深めていくことで、相互に交流しながら、思春期の心理臨床にとって大切な視点を共有していきたいというものである。
これまでのシンポジウムでは、こころの発達的視点や思春期の子どもの基本的な捉え方を持ちながら、自己愛の問題や人格の未熟さ(幼児化)といった特徴を持つ現代の子どもたちに、私たち大人がどのような態度で、どのようにかかわっていくことがこころの成長に役立つのかを考えてきた。今回は、「思春期における『対象』と『かかわり』」というテーマで考えてみたい。
これまでの「ひろしま思春期シンポジウム」においては、「向き合うこと」や「あてになる大人」、「抱える環境」という援助者の姿勢が繰り返し討論されてきた。その姿勢とは、われわれ援助者が、子どものこころの成長に役立つような『対象』として、そこに居て『かかわり』続ける(生き残る)ということであるとも言える。また、きちんとした見立てと、深く理解しようとし続ける姿勢が「治療的」であることも同時に共有されてきた。
11 回目の開催にあたり、しっかりと立ち止まり、これら学んできたことをもう一度考える機会にしたい。これまでの「ひろしま思春期シンポジウム」から何を学び、その学びがわれわれの臨床にとってどういった意味があるのかを検討し、さらには、今後何を学び実践していくのかを考える機会にしたい。
進め方としては、シンポジストから、それぞれが日常臨床の中から「思春期における『対象』と『かかわり』」というテーマについて、事例を素材にしながら話題提供をして頂いて議論していく。指定討論者には、思春期の心理臨床を初め、幅広く奥深い臨床感覚を我々に提供し続けてきておられる乾吉佑氏に引き続きお願いする。思春期心理臨床にとって大切なことがワクワクとしかも実感を持って感じられるシンポジウムにしていきたいと思う。
思春期を扱う心理臨床家のみならず、思春期の子どもとかかわる医療、教育、福祉その他の領域の方々のご参加を呼びかけたい。
※ 臨床心理士ポイント申請予定
【思春期における『対象』と『かかわり』】 岡田 幸彦(トポスの森)